下之坊修子さんは「映像発信てれれ」の主催者。
『離婚を選んだ女たちPart1』(1993年)、『離婚を選んだ女たちPart2 SEX』(1996年)『離婚を選んだ女たちPart3 こども』(2002年)や、シンガーソングライターの阿部ひろ江さんのライブツアーに同行して撮った『ゆらりゆらゆら』(2006年)、脳性マヒの女性のドキュメンタリー『ここにおるんじゃけぇ』(2009年)など幾多の作品を監督し発表して来た。
下之坊さんが映像制作に関わるようになったきっかけは、1992年、ウーマンズスクールのビデオ講座に通い、1993年にその時の仲間で映像で女性情報を発信するビデオ工房AKAMEを立ち上げたこと。
「てれれ」はその中の企画として2003年に始まり、2006年にその中から独立する。
下之坊さんはそれまで男女共同参画センターでビデオ講座を開催。その教え子たちが作った作品を大勢の人に見て欲しいと言う思いをずっと持っていた。それにぴったり来たのが「てれれ」と言うスタイル。
「何でもいいと言うよりは、女性やマイノリティの人が発表出来る場を意識的に作りたかった。
誰でも気軽に表現出来る環境を作りたかったんです」 「てれれ」を開催するカフェなどのネットワークは、最初は周りの知人のお店や知人からの紹介でスタート。しかし、いつの間にか向こうから声がかかるようになった。
「私自身はドキュメンタリーが一番好き。現場勝負で、その瞬間、自分が心を動かされたものを、自分が感じた以上に伝えたい。そして、『てれれ』で、本当に表現したいものを上映する場所を提供したい。
10分以内の短い作品ばかりの『てれれ』を観て、『これやったら自分も出来る』と思ってくれて作る人も多いんです。大切なのは、人に伝えたいと思う気持ち。作ったことのない人が一生懸命作って観た人に感動を与える。ドキュメンタリーからアニメーションまで作品そのものが勢いがあるものが多いから、『てれれ』をきっかけに刺激を与え合って映像発信の場が広がってくれればいいなと思います」
(文 田中玲)